「全員悪人」がキャッチコピーのヤクザ映画。監督は北野武で、過激なバイオレンスシーンや拷問シーンが数多く含まれるため、映倫でR15+指定を受けた。
俳優陣は非常に豪華で監督を務めた北野のほか、椎名桔平、加瀬亮、小日向文世、北村総一朗、石橋蓮司、國村隼、三浦友和などが参加。ベテラン俳優陣の凄みある演技は必見。
名言1・・・加藤【山王会本家若頭】
「いいかお前、誤解されるようなことするなよ。兄弟ってのも大事だけど、親子はもっと大事だからよ!」
山王会本家若頭・加藤が、山王会傘下の池元組組長・池元に発した名言。山王会との親子関係をおろそかにし、村瀬組との兄弟関係ばかりを重視する池元をこの一言でビビらせる。『アウトレイジ』はこの名言からすべてが始まった。
名言2・・・池元【山王会傘下池元組組長】
「ちょっとだけ揉めてるように見えりゃいいんだからよ、あいつのシマに事務所かなんか出しといてくれよ」
加藤にお灸をすえられた池元は、兄弟分の村瀬と決してつるんでいるわけではないという口実を作るため、池元組傘下の大友組組長・大友に村瀬組のシマに事務所を構えることを指示。しかし、この池元の軽率な行動が火種となり、山王会全体を揺るがす大騒動となる。
名言3・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】
「女の車、替えたほうがいいですよ。いくら途中で乗り換えてもバレてますから」
片岡は組織犯罪対策部刑事で、大友組組長・大友とは大学ボクシング部の先輩と後輩という間柄。片岡は警察でありながら金銭目的でヤクザに近づき、情報提供や内部取り引きを積極的に行う。大友からも金銭を受け取り、後輩なりの助言のひとつとして発したのが上記名言。
名言4・・・ボッタクリバーのポン引き【村瀬組構成員】
「カードも使えるし、近くにサラ金もあんだろう。いま、清算しろ!」
安い酒しか飲んでいない客に、60万円を請求したボッタクリバーのポン引きの名言。ちなみにこういった店でカード払いをしてしまうと、手数料として代金の20%以上をプラスされることも。そしてボッタクった客が寄りによって大友組の構成員だったことが後から判明し、村瀬組と大友組の抗争が勃発する。
名言5・・・水野【池元組傘下大友組若頭】
「村瀬はどうしたんだよ!? こんなはした金とガキの指を持ってきやがって、なにがわびだこの野郎!」
大友組構成員をボッタクってしまったことを謝罪に来た村瀬組若頭・木村に対し、最初から謝罪を受け入れるつもりがまったくないがための名言。木村はこの謝罪の最中に、大友からカッターナイフで顔を十字に切り裂かれ重傷を負ってしまう。武闘派集団・大友組、ここにあり。
名言6・・・大友【池元組傘下大友組組長】
「うるせぇんだよう。てめぇ、死にてぇのか!?」
大友は大学ボクシング部の後輩・片岡の助言どおり、女と密会する車を変更するも、女から「ねえ、この車つまんない。なんで替えんの? この前のが全然良かったのに」と駄々をこねられてしまい、やるせなさと怒りからか、思わず厳しい口調で女に対向してしまった名言。
名言7・・・村瀬【村瀬組組長】
「なんだそのツラ!? こいつの指までツメてわびいれてるのに、恥ずかしくねぇのかテメェ? ああ!?」
村瀬組長・村瀬としては、誠意を見せて若頭の木村を大友組へわびに行かせたにもかかわらず、謝罪を受け入れらないばかりか、顔まで十字に切られ帰ってきた木村の失態に対して言い放った名言。これ以降、大友組とのいざこざを解決するため、村瀬自らが動くことになる。
名言8・・・加藤【山王会本家若頭】
「これでおあいこだから五分の手打ちにしてくださいだって? 会長はそれなりに繕っていらっしゃるけどな、チンピラひとり殺したくらいでケジメつけたと思ったら大間違いだよ!」
大友組構成員が村瀬組若頭・木村とポン引きに殺害されたことで、大友組は報復としてポン引きを新幹線内で射殺。報復合戦の様相を呈し始めたところで、池元と村瀬は山王会会長・関内のもとへ謝罪に訪れる。しかし、山王会として村瀬組を許すわけにはいかず、加藤が池元へさらなるケジメをつけるようきつく叱った名言。この後、加藤はチンピラという言葉を大友にも使う。
名言9・・・村瀬【村瀬組組長】
「ゲッ!? ・・・・・・カカカッ」
村瀬組組長・村瀬が歯医者での治療中、大友組組長・大友と大友組若頭・水野の襲撃を受けた際に発した名言。このあと村瀬は、歯医者が使う治療用ドリルで口内を八つ裂きにされてしまうのだが、このシーンは日本映画史に残るグロテスクかつ凄惨なシーンといっても過言ではない。
名言10・・・加藤【山王会本家若頭】
「池元も会長の言うこときかねえからなあ。だったら池元のとこにわびいれて、引退したことにしたらいいじゃねえか!? 形だけだよ。アガリだけキッチリしといたら問題ねえだろう。会長にも納得してもらうからよう」
大友組の襲撃を受けた村瀬は抗議のために山王会本家若頭・加藤のもとを訪れる。しかし村瀬は、加藤から引退を強要され、結局シマを手放すことに・・・・・・。一連の騒動はすべて加藤の仕込であり、血も涙もない加藤だから吐ける名言である。
名言11・・・池元【山王会傘下池元組組長】
「遠慮しないでどんどん食えよ。全然、手ぇつけてねえじゃねえか。ほら、兄弟も食えよ、ほら。おおう、食えねえか、ふふふっ」
池元が、正式に引退することになった村瀬との会談時に発した、村瀬を完全におちょくって吐いた名言。この会談で村瀬組のシマは池元組傘下の大友組が仕切ることになり、アガリを村瀬と分配することに決定。納得のいかない村瀬は池元を睨みつけるも後の祭り。
名言12・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】
「汚ねえヤクザだな、この野郎! てめえは手汚さないで若い衆に殺らせて、しらばっくれんのか!? ふざけんなよこの野郎!」
村瀬組との手打ち会談後、元村瀬組若頭・木村の襲撃を受けた大友たちだが、返り討ちにし木村の付き人を殺害。加藤の仕込により、大友は殺害容疑で逮捕され、取り調べは片岡が担当。その取り調べ中、片岡が演技で発した名言。このあと、片岡は大友から鉄拳制裁を受ける。
名言13・・・水野【池元組傘下大友組若頭】
「どっちが損か得か、よ~く考えたほうが身のためだぞう」
晴れて村瀬組のシマを手に入れた大友組は、本格的にシマの経営に着手する。とあるヤクの売人から、シマの内部にあるグバナン大使館では金を取ってヤクを吸わせているという情報を聞きつけ、水野がヤクより儲かるカジノを開くようグバナン大使にチャカで迫った時に言い放った名言。
名言14・・・水野【池元組傘下大友組若頭】
「あ? あ、じゃねえだろう。うん? 石原、てめぇはいつもとろいんだよ! この野郎!」
名言製造機・水野が、不手際をやらかした大友組金庫番・石原を鉄拳制裁した際の名言。石原はこの鉄拳制裁を契機に、水野ら大友組幹部への不信感を募らせ、やがて大友組壊滅のキーマンへと成長するが、それはまだ先の話。それにしても水野のパンチ力は凄まじいのひと言。
名言15・・・水野【池元組傘下大友組若頭】
「どうだぁー、いいだろう!」
名言製造機・水野が、グバナン大使をうまく懐柔し、海辺の倉庫を新・グバナン大使館に改装した際の名言。グバナン大使は「ただの倉庫でしょ!?」と困惑するも水野は気にせず。弱みを握られたグバナン大使は渋々カジノ経営させられることになる。大友組はカジノで莫大な利益を得る。
名言16・・・関内【山王会会長】
「ここだけの話にしとけよ」
山王会会長・関内のたぬき親父的名言。池元のことを良く思っていない関内は、池元組若頭・小沢に盃をやるから池元組の跡目を継げとささやく。本気にしてしまった小沢はこのあと・・・・・・この名言から次々と大騒動が勃発する。
名言17・・・石原【池元組傘下大友組金庫番】
「俺らヤクザだってこと忘れてねぇよな?」
池元組傘下大友組金庫番・石原が、グバナン大使からギャラ上げを要求された際に発した名言。グバナン大使には収益の30%を払うはずが20%しか支払われておらず、つまり収益の10%は石原がピンはねしていたことが発覚するも、他の大友組幹部にばれる前に握りつぶす。
名言18・・・水野【池元組傘下大友組若頭】
「聞こえねえのか、この野郎! てんめぇ、どっからヤク仕入れてんだぁ!? 誰が仕切ってんだあ、ああん!? 言え、この野郎!」
名言製造機・水野が、ヤクも手がける中華料理店店主の耳に箸を突き刺し、えぐりながら発した名言。この中華料理店店主は親指と人差し指まで切断されてしまった挙句、やっとヤクは引退したはずの村瀬からの横流しだと告白する。相手が悪いと口が堅すぎても身を持ち崩してしまう。
名言19・・・池元【山王会傘下池元組組長】
「おい、村瀬の野郎とっちまえ。あんの野郎なんの役にも立ちゃしねえ。あいつのおかげでこっちの出世まで遅れちまう」
もはや兄弟分だとかはどうでもよくなった池元の名言。池元の一貫した軽率な行動のおかげで、池元組傘下の大友組は貧乏くじを引き続けることになる。若い衆はこれ以上使えないと考えた大友は、自らサウナキングにて村瀬を拳銃で殺害する。村瀬は登場から死ぬまでいいところなし。
名言20・・・大友【池元組傘下大友組組長】
「関内会長のとこ行って来るわ。おい、紐とドス持ってこい。指ぐらい詰めなきゃしょうがねえだろ。へっ、破門だってよ」
村瀬を殺害したことで池元は大友を破門する。大友は当然激怒するも、池元は本部の決定の一点張り。しかたなく大友は指を詰め、本部に謝罪に行くと水野に告げた際の名言。裏で糸を引いているのは関内なのだが、昔気質のヤクザの大友は気づかないのだった・・・・・・。
名言21・・・関内【山王会会長】
「池元は生かそうと殺そうと俺の知ったこっちゃねえよ」
これまた山王会会長・関内のたぬき親父的名言。自らの命令で大友を池元組から破門させたのにもかかわらず、大友の前では池元が勝手に破門にしたと虚言を吐く。バカ正直の大友は関内の言葉を信じ池元殺害へと動き出してしまうのだった・・・・・・。
名言22・・・大友【池元組傘下大友組組長】
「てめえ、破門しといて遊びにくんのか、この野郎。ぶち殺すぞ! コラァ!」
ぶち殺すぞ!といって、本当に池元をぶち殺してしまった大友の名言。二枚舌の池元は結局、大友に舌を出せと強要され、ベーッと舌を出した際に顎をアッパーカットのように下から強烈に叩き上げられたうえ、拳銃で銃殺される。『アウトレイジ』ならではのむごい殺され方だった。
名言23・・・石原【池元組傘下大友組金庫番】
「バクチやって、ヤクにも手ぇ出して、挙句に人殺しじゃあ、たまったもんじゃねえだろうな」
イヤミ系名言の使い手・石原が、グバナン大使館所有の車で池元の死体を運ぶ際にグバナン大使に言い放った名言。ヤク以外はすべて石原たちがグバナン大使にやらせていたにもかかわらず、グバナン大使にカジノや殺人の責任を押し付けようというのだから、血も涙もないのである。
名言24・・・石原【池元組傘下大友組金庫番】
「何言ってんだ、暗けりゃお前なんて見えねえよ」
イヤミ系名言の使い手・石原が、やはりグバナン大使に言い放った名言。どこかの河川敷でグバナン大使に池元の死体を埋めさせた挙句、夜道を勝手に歩いて帰れと命令。「暗いし危ない」と嘆くグバナン大使に、やはり血も涙もなく、人種差別的言葉を吐き捨てるのであった。
名言25・・・関内【山王会会長】
「俺の言った通り、大友の野郎が池元とりやがっただろう。そういうことがわからねえ奴はな、人の上には立てねえんだよ! わかったかい!?」
山王会若頭・加藤の頭を張りながら言った、関内の教育的かつたぬき親父的名言。関内は教育のつもりで加藤を張ったようだが、加藤の怒りは頂点に。加藤は胸に秘めていたある計画を実行することを決意するが、それはまた先のお話。
名言26・・・大友【池元組傘下大友組組長】
「水野、お前隠れろ。一人ぐらい生きてねえとよう、結果、わかんねえじゃねえか」
何者かに襲撃された大友は自宅に幹部たちを召集し、弱気からかポロッと吐いてしまった、殺し殺されの世界に生きるヤクザの凄みを表現した大友の名言。この後大友組は、親の仇をとるために結集した小沢率いる池元組と全面抗争となる。
名言27・・・大友【池元組傘下大友組組長】
「終わりかぁ・・・・・・」
幹部会後、大友は喫茶店にいるところを手榴弾で襲撃される。大友と幹部一人はトイレにいたため運良く生き残ったものの、事務所に連絡をいれるとすでに小沢の襲撃を受けた後で誰も出ず。自らの死と組の崩壊を悟り、ポロリと出てしまった名言。
名言28・・・石原【池元組傘下大友組金庫番】
「そうだな、犬死にだな」
ひそかに山王会若頭・加藤とつながっていた石原は、大友たちが襲撃を受ける前に舎弟とともに脱出。舎弟は山王会本家へと乗り込むものだと思っていたが、石原は上記の名言を言い放ち車中で舎弟を射殺する。大友組幹部たちの居場所は石原によって筒抜けになっていたのだった。
名言29・・・小沢の手下【池元組構成員】
「ドライブ行こうか」
女の家で身を隠していた水野だったが、石原により居場所が暴かれてしまっており、車で逃走を図ろうとした際、小沢の手下に捕まる。上記はその手下が吐いた名言。結局、水野は、首がほとんどもげてしまう残酷すぎる方法で殺されてしまう。衝撃的!
名言30・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】
「先輩、KO負けよりTKOのほうがましでしょ!?」
大友はなんとか小沢の追跡をかわし生き延びていたが、限界を感じ、後輩である組織犯罪対策部刑事・片岡に助けを求める。大友は、片岡の前に立つと「俺だけ生きてられるか」と嘯いてしまうのだが、それをなだめすかした片岡の名言だった。大友は逮捕されたことで、命だけは助かった。
名言31・・・加藤【山王会本家若頭】
「会長! 会長! 会長! 会長! あの野郎、撃ちやがった! 会長!」
大友組の始末が終わった小沢は関内のもとに挨拶へ訪れる。しかし、山王会としては池元組のシマは本部で仕切りたいという思惑があったためか、加藤は小沢を射殺する。小沢が倒れ思わず顔がほころぶ関内であったが、加藤は関内をもついでに射殺してしまう。目撃者のいない状況下で、関内殺しを小沢のせいにした名言が上記。こうして加藤は山王会会長へのし上がったのだ。
名言32・・・木村【元村瀬組若頭】
「兄貴、待ってたぜ!」
刑務所でしがない日々を過ごしていた大友だったが、元村瀬組若頭・木村に刺殺される。木村の大友に対する怨念は凄まじく、大友が逮捕されることを予想し、自らあらかじめ刑務所入りし、刺殺するための刃物も隠し持っていたのだった。木村は刃物で大友の背中をふた突きし、怨念を晴らした際の名言が上記。こうして『アウトレイジ』は幕を閉じた。完。
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