アウトレイジビヨンド

アウトレイジビヨンドタイトル

「全員悪人 完結。」と「一番悪い奴は誰だ?」がキャッチコピーのヤクザ映画。監督は北野武で、前作同様、過激なバイオレンスシーンや拷問シーンが数多く含まれるため、映倫でR15+指定を受けた。

本作も俳優陣は非常に豪華で監督を務めた北野のほか、西田敏行、小日向文世、加瀬亮、中野英雄、高橋克典、白竜、神山繁、中尾彬、塩見三省、三浦友和など。北野監督が舌を巻いたほどの名優たちが結集した。

『アウトレイジビヨンド』は、前作で加藤が山王会会長に上り詰めてから5年後という時代設定となっている。

名言1・・・石原【山王会本家若頭】

石原【山王会本家若頭】「おーい! じゃあなにか? てめぇーの女とマル暴を沈めたのはこっちが勝手にやったことだって言うんだな? おもしれえじゃねえか。付き合いを考えさせていただきますだあ? ガタガタぬかしてっと、マスコミに洗いざらいばらすと大臣に言っとけ!」

アウトレイジビヨンド』は山王会本家の若頭にまで出世した石原の、国土交通省の役人を恫喝した名言から始まる。山王会は石原の手腕で政治にまで手を広げるようになり、政治家のスキャンダルをネタにするのは朝飯前。石原は国土交通大臣をも手玉に取ろうとする。それにしても、前作では大人しかった石原が、まるで狂犬に変貌しているから驚き。

名言2・・・加藤【山王会会長】

加藤【山王会会長】「なんかやったんですかって、俺たちが知るわけねえだろう。どうして死んだか調べるのがそっちの仕事だろうが」

山王会担当刑事で、片岡の後任の山本が殺害された件で、片岡は山王会本家へ顔を出す。会長の加藤にどうして山本を殺したのか尋ねるも、加藤は上記名言でしらばっくれてしまう。山本は山王会担当をいいことに、幾度も金銭を要求したせいで殺害された模様。そりゃ、殺されるって・・・・・・。

名言3・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】

片岡【組織犯罪対策部刑事】「そうですね、じゃあ、一緒に死んでた女が実はヤクザの女で、刑事に寝取られて殺したってことでどうですか?」

山本刑事殺害の件は、山王会から若い衆を差し出すことで決着。石原が殺した理由をどうするのかと片岡に凄むと、片岡は上記の名言どおりに決着を付けることを約束。容疑者の取り調べは片岡の言葉巧みな誘導で、約束どおりに調書が作成された。

名言4・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】

片岡【組織犯罪対策部刑事】「お前、でっけえ体して小心者だな。ヤクザはヤクザだろ!? これで丸く収めりゃあ山王会に恩を売れんだろ!? 優秀なマル暴はヤクザにも警察にも重宝されなきゃな」

片岡のやり方に反発する、後輩の繁田に対して言い放った片岡の名言。この後も片岡と繁田は幾度も衝突するも、繁田はいつも弁の立つ片岡に言いくるめられてしまう。繁田は後輩ゆえに、先輩に遠慮しているとも見えなくもない。

名言5・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】

片岡【組織犯罪対策部刑事】「うるっせえなあ! 俺はマル暴だぞ!? 山王会をどうやって潰すか、いつだって考えてんだよ!」

片岡の名言三連発。繁田に「片岡さんが来てから山王会がでかくなった」と嫌味を言われ、反論した名言。片岡は一貫して悪徳刑事として描かれていたが、一応、片岡なりにマル暴のデカとしての自覚はあり、山王会を壊滅させようと画策していたよう・・・・・・どうだか?

▲PAGE TOP

名言6・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】

片岡【組織犯罪対策部刑事】「まあ、任せてください。後ろには我々がついていますから」
    

片岡の名言四連発。片岡は山王会を潰すために、加藤-石原の現行体制に不満を抱く幹部、富田・白山・五味のもとを訪れ、花菱会の協力を仰ぐよう説得する。悩む兄貴分の富田であるが、白山と五味の後押しもあり、花菱会に行くことを決意する。でも片岡の後ろ盾って・・・・・・。

名言7・・・布施【花菱会会長】

布施【花菱会会長】「うちと山王会は先代との約束で喧嘩せぇへんことになっとったけどぉ、加藤に代替わりしてからのことまで約束してたわけちゃうからなぁ・・・・・・」

片岡と山王会幹部・富田の相談を受けての、花菱会会長・布施のたぬき親父的名言。相手には協力しないでもないという態度を見せるものの、腹づもりはまったくのその逆。布施は山王会会長に連絡を入れ、富田の反逆を密告する。こういう男が一番怖い。

名言8・・・富田【山王会幹部】

富田【山王会幹部】「ちょっと待ってくれよ! はぁはぁはぁはぁ、会長、お願いだよ。会長! 頭、頭、頼むよ、頭ぁぁ、た、頼む!」

クーデター未遂がバレてしまった富田の一世一代の命乞い的名言。弟分だった白山と五味の裏切りにもあい、ボディーガードは舟木に射殺される。富田は必死に土下座して命乞いするも許されるわけはなく、舟木に頭部を射抜かれ死亡する。それにしても中尾彬の演技が上手すぎだ。

名言9・・・石原【山王会本家若頭】

石原【山王会本家若頭】「いくら古参の幹部でも、チョーシに乗ってると容赦しねーぞ、この野郎!」
    

目の前で富田が射殺され、縮み上がっていた白山と五味をさらにびびらせた石原の恐喝的名言。前作で大人しかった石原が5年の歳月ですっかり狂犬に変貌してしまった。人って代わるんだなあ。石原はこの後、『アウトレイジビヨンド』の準主役級の活躍をみせるのだが、それは先のお話。

名言10・・・大友【元池元組傘下大友組組長】

大友【元池元組傘下大友組組長】「ヤクザにも守んなきゃいけない道理があんだよ」
    

前作で死んだはずの大友が生きていた! 死んだというのは、片岡が山王会から大友を護るためのデマだったのだ。片岡が大友を刺した相手・木村のことを口にすると、大友は素直に木村への謝罪と反省を口にし、かっこ良過ぎる上記名言を吐いたのだった。

▲PAGE TOP

名言11・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】

片岡【組織犯罪対策部刑事】「まだもうろくする歳じゃないでしょう!? 加藤と裏切った石原に、きっちりケジメ付けてくださいよ!」

富田の件もあり、山王会で自身の立場が危うくなった片岡は、大友を使い山王会の弱体化を画策し始める。大友は関わりあおうとはしないが、片岡は焚きつけるように上記名言を言い放った。『アウトレイジビヨンド』の主役は間違いなく片岡なのである。

名言12・・・嶋【木村一派】

嶋【木村一派】「もっと、こう、俺が女だったら抱かれたいみたいなスイングして! 腰でこう、こういう。おーい!」

ぼったくりバッティングセンターを経営する木村が舎弟にしている嶋が、ボッタクった客の金で同じ舎弟の小野のスイングを見て言った名言。嶋は野球のスイングには一家言ある様子。それにしても、嶋役を演じる桐谷健太はチンピラ役が似合いすぎていて笑える。

名言13・・・大友【元池元組傘下大友組組長】

大友【元池元組傘下大友組組長】「木村さん、あんたが謝るこっちゃねえよ。悪いのはこっちのほうだしな。あんたの顔に比べりゃ俺の腹なんか、どうってことねえ」

片岡が動き、大友は木村と対面する。木村は刑務所で大友の腹を刺したことを謝罪し、大友は謝罪を受け入れ、大友も木村に謝罪したのが上記名言。この会談以後、大友は木村と行動をともにすることになり、片岡の策略に否応無しにハマってしまうことになる。

名言14・・・小野【木村一派】

小野【木村一派】「うわぁぁあぁぁぁ!!!」

   

木村から大友の警護を厳命されていた小野と嶋であったが、大友は拒否。帰るように説得してしまう。帰るべきか迷っていた小野と嶋だったが、大友はさっそく石原の放った刺客にエレベーター内で銃撃を受けてしまう。異変を察知した小野が、自責と焦りから思わず名言級の叫びをあげる。

名言15・・・石原【山王会本家若頭】

石原【山王会本家若頭】「チンピラ一人殺れねぇってのは、どういうわけだこの野郎! 岡本! お前んところはどういう教育してんだ!」

刺客は大友の腹を撃ったものの殺害に失敗。大友の恐ろしさを誰よりも知っている石原は焦りのあまり、逆上して恫喝的名言を吐いてしまう。逆上は止まらず、その場にいた白山と五味にも「シマを取り上げる」と恫喝してしまうが、これがこの後の趨勢に大きな影響を及ぼす。

▲PAGE TOP

名言16・・・西野【花菱会若頭】

西野【花菱会若頭】「あん? 会長が今日おられるかどうかと、おのれらとなんか関係あるんけ? あん? てめぇーらが会いたいから言うてすぐ会えるほど、うちの会長、安ぅないで。あん? 五味、なあ? だよな?」

軽率な五味の言葉を受けて、一瞬にしてその場を凍らせ、白山と五味を縮み上がらせた西野の真骨頂的名言。西野にとっては花菱会会長・布施は絶対の存在であり、布施を畏敬しない人間は誰であろうと攻撃の対象となってしまう。しかし、こういう子分がいるとありがたい。

名言17・・・西野【花菱会若頭】

西野【花菱会若頭】「おい、ちょっと待てコラ! なにぬかしとんじゃコラ! 山王会とはお前のチンポの毛ぇ生える前から盃交わしとんねん。おう!? お前らみたいなチンピラの三下獲られたくらいで、戦争にでもなったら誰が責任取るんじゃボケェ!」

アウトレイジビヨンド』で最高のシーンである大友vs西野&中田の罵倒合戦。木村と大友は手下が殺されたことで花菱会から盃を貰うことを決意するも、西野と中田は大友たちを試そうとしているのか、罵倒を始める。オドオドしてしまった木村に言い放った西野の名言だった。

名言18・・・西野【花菱会若頭】

西野【花菱会若頭】「会長がわざわざ忙しいのに会ってくださってるっちゅーのに、おん? 帰るやと、コラ? お前らが帰るか帰らんかは、こっちが決めるんじゃい、ボケェ!」

大友の「帰る!」発言に対し、『アウトレイジビヨンド』における名言製造機・西野の名言。大友らに対して花菱会の優位は揺らがないんだぞと、西野は高圧的な態度で大友に伝えたのだが、プッツンした大友には通じず。矛先を木村に変え、今度は木村を口撃し始めるのだった。

名言19・・・大友【元池元組傘下大友組組長】

大友【元池元組傘下大友組組長】「てめぇら、ガタガタうるせぇんだよ、バカ野郎! 木村、帰ろう! だから殺ってみろっつってんだろ! チンピラ! 殺れ!」

西野と中田はチャカまで取り出し大友を制そうとするも、一歩も引かなかった大友の名言。さすがの西野と中田も持て余してしまう。それにしてもこんな胆力を持った人間が、以前は池元と親子関係を結んでいたなんて・・・・・・実は池元、恐るべし!? 不思議なのだ。

名言20・・・木村【木村一派代表】

木村【木村一派代表】「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! これで、いいんすか!? 山王会ぐらい、俺らだけで獲ってみせますよ!」

西野&中田は大炎上してしまい、盃を貰えるどころか、大友もろとも木村も花菱会に殺されかねない状況に追い込まれる。焦る木村は、左手小指を自らの歯で噛み千切り、この状況の落とし前を付けてみせ、大見得を切り思わず吐いた名言だった。その場にいる全員が木村の覚悟に脱帽し沈黙。

▲PAGE TOP

名言21・・・舟木【山王会幹部】

舟木【山王会幹部】「なにが若い衆だよ。ビービー泣きわめきやがって。ただのガキじゃねーかよ! 大友、このバカ止めさせろ。てめぇら全員、皆殺しだかんな」

今まさに大友と木村に殺されようとしている、山王会幹部・舟木の断末魔的名言。舟木はリンチを受けたものの気丈に振舞っていたが、大友は舟木の部下をドリルで殺害。さすがの舟木も観念し、山王会会長・加藤の過去を打ち明けるのだった・・・・・・

名言22・・・布施【花菱会会長】

布施【花菱会会長】「あいつは前に、大友を裏切っとるやろう。一度、人を裏切った奴は、何回でも裏切りよる」

花菱会の布施は山王会会長・加藤を呼び、舟木が加藤の過去を暴露したICレコーダーを差し出す。加藤は激昂するも、布施は石原がすべて仕組んだことだと加藤に告げ、精神的揺さぶりをかけた名言だった。この名言により加藤-石原体制に亀裂が生じる。

名言23・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】

片岡【組織犯罪対策部刑事】「いや、苦労しましたよー。やっぱり俺みたいのいないとダメじゃないですか!? マル暴がデスクに座ってるだけじゃねえ。ちゃんと部長にも言っといてくださいね。私がしっかり働いてるって」

片岡は組織犯罪対策部の上司に、山王会と大友&木村の抗争は、裏で花菱会が手を引き、事実上、山王会vs花菱会であると報告。そしてその段取りをつけたのは自分だと、上司にしつこく念を押した名言。出世に目が眩んだ片岡らしい名言だ。

名言24・・・石原【山王会本家若頭】

石原【山王会本家若頭】「ちょっと聞いて下さい。色々ありまして、かとうかい、加藤会長から言われて、そのつもりはなかったんですが、言うこと聞かないと殺すと言われて。あの時は裏切りましたが・・・・・・なんでもしますぅっ! 今は金もありますし、あの、株券でもなんでも金目のものはしますから、言うとおりにしますんで許してもらえませんか!」

木村の策略に簡単にはまり、一人、大友の前に差し出されてしまった石原。武闘派で鳴らした大友の怖さを誰よりも知る石原が、ションベンをちびりながら吐いた命乞い的名言。当然、許されるわけもなく、石原は椅子にくくり付けられ、ピッチングマシーンのボールを顔面に当てられ続けるという残酷な処刑方で殺される。富田同様、『アウトレイジビヨンド』では裏切り者の末路は散々なのだ。

名言25・・・加藤【山王会会長】

加藤【山王会会長】「てめぇら、どういうつもりだい? なんだお前ら俺に弓引くのか? ふざけんなこの野郎! 誰が山王会これだけでかくしたと思ってんだい!」

石原と舟木が殺害されたことで、加藤は幹部たちを召集。しかし、山王会幹部たちには、花菱会より例のICレコーダーの記録が送られてきており、白山と五味を筆頭に加藤に会長職の退任を迫る。当然加藤は炎上し上記名言を吐くも後の祭り。加藤体制は崩壊するのだった。

▲PAGE TOP

名言26・・・西野【花菱会若頭】

西野【花菱会若頭】「あんまり嬉しそちゃうなあ? おん? お前の組みたいな小ぃ~っちゃなとこと、山王会みたいなでぇ~っかい、言うたらお前、象さんみたいなでぇ~っかい組とお前、五分の手打ちになるんやで? おう?」

山王会と大友&木村の抗争は、山王会と木村組が五分の手打ちということで決着する。困惑する木村であるが、花菱会若頭・西野が持ち前のボキャブラリー豊富な表現でわかりやすく解説してくれた名言だった。この手打ちにより、山王会は花菱会傘下の組織となる。

名言27・・・片岡【組織犯罪対策部刑事】

片岡【組織犯罪対策部刑事】「手ぶらですか? 先輩ならハジキくらい持ってくると思ってましたが。花菱の皆さん、中にお揃いですよ。持っていきますか?」

片岡は加藤殺害の容疑を木村にかけ、加藤組残党に木村を殺害させ、木村から破門された大友がいかにも殺したように細工する。木村の葬式には山王会幹部全員、花菱会からは西野と中田が集まるなか、大友も片岡に呼ばれ線香をあげに葬式に訪れる。丸腰の大友に、片岡は拳銃を手渡すものの、大友はその拳銃で片岡を殺害する。暗躍しすぎた片岡の自業自得的名言かつ最後だった。『アウトレイジビヨンド』はこれにて完。

アウトレイジ ビヨンド [DVD]

新品価格
¥2,912から
(2013/8/20 18:23時点)

北野武監督関連作品

アウトレイジ

ソナチネ

キッズリターン

その男、凶暴につき

アウトレイジ ビヨンド [DVD]

新品価格
¥2,912から
(2013/8/20 18:23時点)

超思考 (幻冬舎文庫)

新品価格
¥520から
(2014/1/12 00:10時点)

HANA-BI [DVD]

新品価格
¥2,536から
(2014/1/12 00:12時点)

北野・ざんまい! ~北野武監督作品DVD全集~

中古価格
¥47,980から
(2014/1/12 00:12時点)

Kitano par Kitano: 北野武による「たけし」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

中古価格
¥95から
(2014/1/12 00:14時点)

孤独 (ソフトバンク文庫)

中古価格
¥148から
(2014/1/12 00:15時点)

北野映画ベストセレクション joe hisaishi meets kitano films

中古価格
¥1,250から
(2014/1/12 00:15時点)

BROTHER [DVD]

新品価格
¥2,536から
(2014/1/12 00:16時点)

TSUTAYA DISCAS TSUTAYA DISCAS

inserted by FC2 system