その男、凶暴につき見出し

その男、凶暴につきイメージ画像

その男、凶暴につき』は北野武の監督処女作で1989年に放映。映画全体を通して陰鬱な暗さが占め不気味であり、だからこそ刑事・我妻の狂気が映え迫力に満ちた作品となっている。北野作品の中でも1~2位を争う恐怖映画である。これだけの映像を監督初作品で撮ったかと思うといまさらながら度肝を抜かれる、はっきり言って。

出演はビートたけし、白竜、川上麻衣子、佐野史郎、岸部一徳、平泉成など。ビートたけしの恐ろしさはグンを抜いているものの、敵対する白竜の演技もかなりの迫力。役者の演技力が非常に光った作品でもある。これを見ずして北野フィルムは語れない。

その男、凶暴につきの名言1・・・我妻諒介

 その男、凶暴につきの名言1「明日な、仲間を連れて警察に来なさい。何もやってないのか? うん? 何もやってないのか。じゃあ、俺もな、何もやってないだろ、オラ!」

その男、凶暴につき』の冒頭シーン。ホームレスのリンチを繰り返す少年宅に踏み込み、折檻で少年を縮み上がらせる。ビートたけし演じる刑事の我妻諒介のビンタの連続は衝撃的であり、その後もこのビンタが印象的に使われ続ける。頭っからの強烈シーンで、見る者は釘付け。

その男、凶暴につきの名言2・・・我妻諒介

 その男、凶暴につきの名言2「おい、ヒモならヒモらしくなあ、女大事にしろバカヤロウ。
てめえが働きゃいいんだよ」

我妻の盟友・岩城刑事が痴話喧嘩を諌めていると、ヒモ亭主が岩城に暴言。すぐ近くを通りかかった我妻は、ヒモ亭主の腹部に強烈な一撃をお見舞いし伸してしまう。さらには顔面を軽く蹴り上げ、上記名言を言い放ったのだ。手が早いうえに喧嘩が強い・・・・・・恐ろしい男なのだ。

その男、凶暴につきの名言3・・・我妻諒介

 その男、凶暴につきの名言3「妹貰ってくれるんだろうなあ!? 仲人どうした、仲人? 結納しなきゃなあ、お前なあ? なんだ、てめえ逃げんのか、おら!」

我妻が自宅に帰ると、妹はディスコで知り合った男と一夜を伴にしていた。精神を患う妹は我妻にとって心配の種であり、また、兄として妹と寝た男に腹を立て、軽くではあるが執拗な張り手と膝蹴りを食らわせる。こんなお兄さんのいる妹とは結婚したく・・・・・・やっぱりないなあ。

その男、凶暴につきの名言4・・・我妻諒介

 その男、凶暴につきの名言4「オラオラオラオラオラ、はは!」

  

殺されたヤクの売人の上客を追う我妻。逃げる男はボクシングをやっていたのか、刑事二人を強打で伸したうえに、本間刑事の頭を金属バットで一撃して逃走。我妻は執念で男を車で追い詰めそのまま轢いてしまう。それでも抵抗を続ける男を今度は車で跳ねてようやく御用。狂気の演技だ。

その男、凶暴につきの名言5・・・我妻諒介

 その男、凶暴につきの名言5「おい、つまんねえ芝居してんじゃねーよ! 柄本死んだの知ってるな? うん? じゃあ、お前、どっからヤク仕入れてんだ? どっから仕入れてんだよ!? どっからだい? 帰れ! どっから仕入れてんだよ!? あん? どっからだあ! どっからだって聞いてんだよ! どっからだい! どっからだよお!? ・・・・・・」

ディスコでヤクの売買現場を抑えた我妻。売人からヤクの仕入れ先を聞き出すため、合計23発のビンタを繰り出す。このビートたけしの演技は狂気に溢れ、実際に売人役の役者に強烈なビンタをお見舞いし続けている。このリアリティー、『その男、凶暴につき』屈指の名シーンなのだ。

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その男、凶暴につきの名言6・・・仁藤

 その男、凶暴につきの名言6「新開、いざという時、あれを始末する人間はいるのか?」
  

麻薬ビジネスの親玉・仁藤は、刑事の岩城や売人の柄本の殺害を殺し屋の清弘に命じたものの、殺人欲のある清弘はそれ以外の人間も消してしまう。仁藤は清弘を一喝するが、清弘はわかっているのかいないのか、気の無い返事でやり過ごす。案の定、清弘は暴走を始める。白竜さん、怖ぇ~。

その男、凶暴につきの名言7・・・仁藤

 その男、凶暴につきの名言7「刑事さん、今度食事にでも来ませんか? 裏口に用意させますから」
  

清弘が殺人を重ねたことで、我妻は麻薬の根源が仁藤にあることを知る。我妻は仁藤の元を訪れ宣戦布告。我妻の問い詰めに仁藤はしらばっくれるが、意味ありげな上記台詞で我妻を挑発するのだった。この後、我妻は早速行動に出る。岸部一徳の演技が光る!

その男、凶暴につきの名言8・・・我妻諒介

 その男、凶暴につきの名言8「あった」

  

我妻は清弘に狙いを定め、男色の清弘がホテルで男と楽しんでいるところをガサに入る。我妻は「いい趣味してんなあ、おい」と清弘を嘲笑し、麻薬保持をでっち上げて逮捕してしまう。ここから我妻vs清弘の壮絶なバトルが始まる。

その男、凶暴につきの名言9・・・清弘

 その男、凶暴につきの名言9「ちゃんと狙ったらどうだい? 兄妹揃ってお前らキチガイかあ」
  

でっち上げまでして清弘を逮捕した我妻は、拷問、血祭りに上げたうえに発砲、暴力の限りを尽くして岩城刑事殺害の自供を取ろうとする。しかし、清弘は口を割らず、さらには妹のことまで口にし我妻を揺さぶる。我妻は怒りで清弘を殺しかけるも、その時妹は清弘の手下たちに・・・・・・。

その男、凶暴につきの名言10・・・吉成署長

 その男、凶暴につきの名言10「まあ、君にこれ以上不祥事でも起こされでもしたら、わたしはもうアウトだった。君の行為は懲戒免職に値するものだが、なんとか穏便に取り計らい、出来るだけのことはするつもりだ。警察全体のことも考えてみたまえ。君はいろいろ探っているようだが、岩城は自殺だよ」

感情的になってやり過ぎてしまった我妻は、仁藤と清弘を追い詰める前に警察をクビになってしまう。おそらく警察官僚の吉成署長は、自身の出世のために邪魔な我妻をお払い箱に出来たことでホッとしたのか、自主退職扱いにしてやると嫌味。ま、クビになって当然ですけどね。

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その男、凶暴につきの名言11・・・喫茶店のマスター

 その男、凶暴につきの名言11「これから仲良くやりましょう」

  

妹を拉致された我妻は、わざと街をうろつき清弘から襲撃をあえて受ける。九死に一生を得て生き延びた代わりに、仁藤や清弘のアジトを掴む。我妻は以前しょっぴいたことのある、拳銃の裏取引をする喫茶店のマスターの元を訪れ、最後の戦争の武器を手に入れるのだった。

その男、凶暴につきの名言12・・・清弘

 その男、凶暴につきの名言12「この女の兄貴が来る。これから殺し合いになるかもな。お前ら女回しておいて逃げる気じゃないだろうな? 逃げたら俺がお前らを殺すからな。どっちにしろお前らはみんな死ぬかもしれないな」

我妻は元凶の仁藤を射殺し、清弘の隠れ家へと乗り込む。清弘は仁藤の腹心・新開からあらかじめ連絡を受けており、迎え撃つ覚悟を固める。しかし、清弘の手下どもはそんな覚悟は当然ながらなく、そして清弘の言葉通り殺し合いとなり衝撃的なラストを迎える。

その男、凶暴につきの名言13・・・新開

 その男、凶暴につきの名言13「どいつもこいつもキチガイだ」

  

我妻vs清弘に結着をつけたのはなんと仁藤の腹心・新開だった。とはいえ、狂気の宿る人間同士の殺し合いに新開は心底呆れ、上記名言を言い放ったのだった。確かにこの作品、最初から最後までキチガイの論理に支配された心底恐ろしい映画であったのだ。
以上、『その男、凶暴につき』の名言はこれまで。間違いなく傑作の映画だから未見の方はぜひ見るべし! 背筋が凍る衝撃シーンばかりなので、現実離れしたホラー映画よりちょうど100倍ぐらい恐ろしいのでご覚悟を。

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