レスラー

レスラーのイメージ画像

80年代に活躍した往年の名レスラーの悲哀を描いた作品。リングの上でしか生きられないランディは、家族も金も失ってしまい自身の人生に失望する。しかし、ランディのリングでの活躍を待っているファンは大勢おり、ランディはリングの上でしか生きられないなら、死ぬまでリングの上に立つことを決意するのであった。

ミッキー・ロークはズタボロになっていくプロレスラーの悲哀を見事に演じきり、ヴェネツィア映画祭金獅子賞およびゴールデングローブ主演男優賞を受賞。これほどまでにプロレスラーのリアルをドラマとして描いた作品は過去にない。必見である。

名言1・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「レニー! レニー! おい、レニー開けろ! おい、コラ!」
    

レスラー』はミッキー・ローク演じるランディ・“ザ・ラム”・ロビンソンが、プロレスの試合後、アパートに戻ると家賃の滞納で締め出されてしまっていたという、いきなり悲しい出だしで始まる。80年代、一世を風靡した名レスラーがこんな生活を送っているなんて・・・・・・ああ。

名言2・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「仕事時間の延長を・・・・・・笑える・・・・・・平日だ、週末は忙しい」
    

家賃が払えなくなってしまったランディは、スーパーマーケットでの仕事を増やしてくれるよう現場責任者に申し出る。しかしランディは、責任者から「(試合で使う)タイツの値上がりか?」とおちょくられてしまうのであった・・・・・・。こんな野郎、ぶちのめしてくれ、ランディー!

名言3・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「ロープの反動でキックして、ラム・ジャム。後はビール。頑張れ、才能ある」
    

とある試合の打ち合わせシーン。プロレスの試合はベビーフェイスとヒールの役回りが決められており、ベビーフェイスのランディが最後に大逆転で勝つというシナリオ。この試合はジュース(流血戦)で行われるため、ランディは自身のテーピングにそっとカミソリを忍ばすのであった。こんなシーンがさらっと描かれるなんて、十数年前では考えられなかった。

名言4・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「彼女は百倍もセクシーなんだよ、お前の青臭い花嫁よりもな。クズめ!」
    

ランディが、馴染みの店の贔屓にしているストリッパー・キャシディのことを茶化すチンピラどもをやっつけた名言。キャシディは「200ドルがパー!」と怒るも、ランディは「俺のほうが男前」と冗談で返す。劇中もっとも微笑ましいシーンのひとつである。

名言5・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「ステロイドで元気ハツラツ!」

    

ステロイドはアメリカのプロレスラーの必需品。筋骨隆々で、マッチョでかっこいい体を維持するためにはステロイドが欠かせないのだ。しかしながらステロイドの副作用は強烈で、身を持ち崩してしまう原因にもなる。当然ながらランディの体もステロイドに蝕まれていたのであった。

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名言6・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「プロレスラーだぜ!?」

    

ランディは、ネクロ・ブッチャーとのハードコアマッチ後、体調が急変し嘔吐し倒れてしまう。ランディの病状は想像以上に深刻で、心臓のバイパス手術が緊急に行われる事態に。目が覚めたランディは、医者から激しい運動の禁止を言い渡されてしまった。事実上の引退勧告だった。

名言7・・・ステファニー

ステファニー「面倒は見ないわ。私が頼りたい時どこにいた? 誕生日だって・・・・・・毎年、無視! 何日かも知らないでしょ!? 心臓発作だろうと知らないわよ」

心臓発作を起こしたランディは、キャシディの助言もあり娘のステファニーに現状を伝えにいく。しかし、親子関係は破綻しており、ステファニーからけんもほろろにまくし立てられ、ランディは立ち尽くしてしまうのであった。いくらなんでも娘の誕生日ぐらい知ってないと・・・・・・。

名言8・・・スーパーマーケットのマネジャー

スーパーマーケットのマネジャー「ノックは? やり直せ、マジでだ!」

    

ランディはスーパーマーケットでの仕事を増やしてもらおうと、ノックもせずに勇んでマネジャーの部屋に入ってしまったがため、ポルノビデオを鑑賞中だったマネジャーの逆鱗に触れてしまう。ノックをしなかったランディもいけないが、仕事中になにもポルノを見んでもいいのではないかと・・・・・・。

名言9・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「90年代は大嫌いだ」

    

80年代の栄光に生きる男・ランディならではの名言。音楽の趣味も80年代のロックミュージックが好みで、ニルヴァーナの登場を嘆いている。いい加減、現実を見てくれよ!と思いたくなってしまうが、案外こういう大人って多いんだろうなあと自分のことも含めて思ってしまう。『レスラー』に出てくる名言のなかでもトップクラスの名言なのだ。

名言10・・・キャシディ

キャシディ「客と接触はダメ。帰るわ」

    

ランディとバーで思わずできそうになってしまったキャシディであるが、ストリッパーとしてのプライドもあってランディとの関係を拒絶する。お互いに好意は持っているものの、そこは様々な事情を抱えている大人と大人。簡単にはくっつけないっす。でも個人的にはいっちゃえばいいのになと。

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名言11・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「俺はボロボロのクズで、孤独だ。自業自得なんだが、お前に嫌われたくない」
  

キャシディのおかげもあり、ランディは娘のステファニーに洋服のプレゼントをして、ようやくまともに会話をしてもらえることに。ランディは過去の過ちを素直に悔い謝罪し、涙を流す。父親の思いを感じたステファニーの怒りは、徐々に氷解していくはずだったのだが・・・・・・。

名言12・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「ダンスしろ。客が金払ってんのに拒むのか!? 踊れ! 尻ふって胸つかんで踊れ! 色目を使え!」

娘とうまくいきかけ、上機嫌でキャシディの働くストリップ小屋へと出向くランディであったが、客との一線を越えるのをためらうキャシディはランディを拒絶する。頭に血の昇ったランディは、それならば客としてラップダンスをするよう強要して関係をこじらせてしまうのだった。

名言13・・・バーにいた女

バーにいた女「ねえ、パーティーしない? そうね、燃えるようなやつ」
    

キャシディに拒絶されてしまったランディは、その足でプロレス会場へと出向く。旧友に誘われバーに行き、レスラー目当ての女に上記名言で誘われる。ちなみにパーティーとはコカインを吸ったうえでのファックのことで、ランディはバーのトイレで情事に溺れてしまうのであった・・・・・・豪傑だ。

名言14・・・ステファニー

ステファニー「ろくでなしのクズよ。もう二度とごめんだわ! あんたのせいで泣くのはもうイヤ! 最低のろくでなし! 大バカ! 最低野郎! 死んじまえ!」

ランディはコカインが効きすぎてしまったのか、すっかり爆睡してしまいステファニーとの約束を反故にしてしまう。レストランで2時間も待ったステファニーは怒り爆発。回復しかけた親子関係だが、またしてもランディの自業自得で崩壊させてしまう。ランディは父親にはなれない自分の性分を思い知らされ、打ちのめされてしまう。

名言15・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「偉そうにしてんじゃねえ! 俺は辞める! 辞めてやる。チーズが欲しいって? てめえで取りやがれ! うんざりだ、辞めてやる!」

キャシディに拒絶され、ステファニーに見限られたランディはとうとう感情が爆発! 客の態度にプッツンし、チーズのスライサーでわざと自分の指をぶつけて大怪我を負ってしまう。自分が生きられる場所はリングしかないことをようやく自覚し、ドクターストップを無視して宿敵・アヤトッラーとの20年ぶりの戦いに望むことを決意するのだった。

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名言16・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「分かってる、いいさ。それじゃ。試合がある。ウィルミントンだ。見に来い」
   

ランディとの関係を壊したくなかったキャシディはランディの家を訪ねたのだが、ランディはすでに吹っ切れており、これから試合に向かうと告げる。ランディは80年代の全盛期だった自分の魂を取り戻し、女や家族など省みないロックンロールなスーパースターに戻っていたのだ。

名言17・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「俺にとって痛いのは外の現実の方だ。もう誰もいない。ほら、あそこが俺の居場所だ。行くよ」

これから入場というその時、いてもたってもいられなかったキャシディが試合会場に現れる。心臓病を患うランディを想って必死に止めるも、覚悟の決まっているランディはリングが待っていると指差し笑う。プロレスを愛する者なら涙なくしては見られない、名シーン中の名シーンだ。号泣!

名言18・・・ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン

ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン「聞いてくれ。今夜ここに立つことができて感謝する。多くの人に“もうムリだ”と言われたが、これしかない。命を縮めるようなまねばかりして、生き急いできたツケはむろん払うしかない。この人生、大切なものを全て失うこともある。
今や耳は遠いし忘れっぽいし、体もガタがきてる。でもここに立ってる俺はまだラムだ。時が過ぎれば人は言う、“あいつはもうダメだ”“終わりだ”“落ち目だ、お払い箱だ”。だがいいか、俺に“辞めろ”と言う資格があるのはファンだけだ。ここにいるみんなが俺を戦わせてくれる俺の大切な家族だ。愛しているよ、ありがとう!」

ランディの魂の叫び! プロレスラーとして生きてきた、そしてプロレスラーとしてしか生きられなかったランディの思いをすべて吐き出した名言なのだ。キャシディはランディの叫びを見届け、これ以上は見てられないと会場を後にする。そしてランディはアヤトッラーとレスリングを行い、自身の代名詞であるラム・ジャムを、人生の最後に繰り出すのであった。やはり号泣。『レスラー』は涙なくしては鑑賞できない名作中の名作なのであった。完。

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